#9 『リョウ入港!!!』
かつて勇人に音楽を教え、去って行ったリョウが、突然勇人の前に現れる。リョウは気さくに話しかけるが、勇人は怒って立ち去ってしまう。そんな勇人の心情を慮って、圭吾は一人でリョウに会ってみるのだが…?
うーん…… | |
なんだ、またトッピングで悩んでんのか。どれも同じだろ | |
同じなんかじゃない! 加えるものによって味が大きく変わるし、それによりアプローチの仕方だって……ハッ! ま、まぁ、ショコラへのトッピングについてはまた後で語るとして…… | |
ラーメンだろ | |
何を言い出すんだ勇人。ショ・コ・ラだ。そもそも今回はショコラの話じゃない | |
なら、何だよ | |
実は、ある人から手紙が届いたんだ | |
手紙? | |
ああ。でも写真が数枚入っているだけで、メッセージが何もなかったんだ。ほら、コレ……ニューヨークの街並みと楽しげな人達の笑顔が写っている | |
リョウか | |
良くわかったね | |
アイツの写真は、見たら分かる | |
どうして勇人じゃなく、僕に送ってきたんだろう? | |
お前に送れば俺に見せると思ったんじゃねぇの。俺宛だと俺がちゃんと見たか分かんねぇしな | |
…確かに! | |
お前、これ見てどう思った | |
すごくいい写真だね。以前、勇人に会いに来た時は悩んでいるみたいだったけれど、この写真からは迷いはまったく感じられない。心から楽しんで撮った一枚だなって思ったよ | |
俺達も歌で思いを伝えた。あいつは写真家だ。だから写真で伝えてきたんだろ | |
元気でやっているから心配するな。ってことだね。それにしても僕にまで見せてくれるなんて光栄だね | |
あいつなりにお前に恩を感じてるんじゃねぇの | |
あ、あとこんな写真も入ってたんだ | |
…っ?! 捨てろ!今すぐ | |
僕宛の手紙だからね、この写真をどうするかは僕に権利がある | |
はあっ? | |
今まで知らなかった勇人の顔、いつかプリンセスにも見せる日がくると思うから、心待ちにしてて。オルヴォワール | |
お前な…! |